はちゅねタコメーター製作(車載テスト編)

実際に車両の配線に繋いでみた

オルタネータからRAVEコントロールユニットに入る線からパルス信号を取るように配線し、実際にエンジンを始動してみた。
と、いきなりレブ表示。想定以上の頻度でパルスが入っている模様。
ノイズのせいかと思いコンデンサを差し込んでみるが、変化は見られない。
そこで、分周比の設定を1つずつ変更して様子を見てみる(メニューから随時変更しておけるようにしておいてよかった)。1/4(4パルスで1回転)にした時に純正タコメータの表示に近い状態になった。多少の揺れがあるが、概ね一致。
しかし、回転数を上げると一定以上追従しない。
おおよその状況が把握できたのでエンジンを切って撤収。
 

状況の推測

分周比の設定とタコメータの動作を見る限り、4倍のパルスが入っていると考えるのが妥当だろう。これはオルタネータという発電機から直接パルスを取る以上あり得る展開ではある。フライホイールに複数の永久磁石があれば、たとえ1個のコイルからパルスを拾っていても1回転で複数回の波形が出るのは当然だ。
信号を取っているラインにはRAVEコントローラが繋がっており、これは一定回転数(3,000rpm以下と8,000rpm以上)でソレノイドをちゃんと駆動しているワケだから、このラインからパルスを取れないハズはない。しかし、ある意味車両固有の配線であるため、他車種への流用を考慮するとあまり利口ではないのかも。
 

ソフトウェア面での対策

分周比を1/4にしたらパルスに追従できなくなったのは、おそらくパルス受信のロジックに組み込んだ論理的なノイズフィルタが原因。ソフトウェアを組む際、20,000rpm以上の周波数のパルスが入ったらノイズorチャタリングによるエラーとしてその異常値を切り捨てる処理(机上テストではスイッチをカチカチさせていたのでチャタリングが酷かった)をいれてしまっていたが、分周比1/4だとその閾値が5,000rpmになってしまうから、当然それ以上のrpmを検出できないことになる。この論理的ノイズフィルタは除去するか、緩和しよう。
さらに、アイドリングでも500rpm以上の幅で数値が暴れているようなので、複数パルスの平均値を使うなどの平滑化も必要かもしれない。ただし、検証の段階では実数値が見えていた方が都合がよいので、これは後回しになると思われる。
 

パルスの取得方法の変更

RAVEユニットから横取りする方法で設計を進めてきたが、もしかするとコレも変更すべきかもしれない。純正タコメーターはHTコイル1次側から分岐した線(白と紫の縞々)を引き込んでいるようなので、この線を使用する事も考えてみよう(実際にプラグに点火している信号なので、間違いなく分周比1/1のパルスが拾えるハズ)。しかし・・・HTコイル1次側って結構電圧高くなかったっけ?そろそろ本気でオシロかそれに類する計測器が欲しい。つか、部品を壊さない為にも必要だ。
一方で、HTコードに線を巻き付けて静電誘導(?)を使ってパルスを引き出す非接触型の検知回路も視野に入れる可能性も出てきた。一般の汎用外付けタコメータは大抵この方法を使っているが、これなら車種による電圧・配線構造の差異も無視でき、RS125以外のバイク・車への流用も容易にできるからだ。
しかし、微細な信号をオペアンプ等を使って正確に増幅する回路が必要になるため、現在の自分の知識ではゼロから回路図を引けない。Web上でサンプルになりそうな回路図を探しておくことにする。
 

オリジナル基盤の設計

まだ先の話になるが、回路が完成したらEagleというソフトで図面化し、オリジナルのプリント基板(両面2層)の作成もしてみたい。実際に車載する際には出来る限り小型化したいが、ユニバーサル基盤では小型化に限界がある。なにより、大人の趣味として少しでも(手間や出費が必要になったとしても)格好良く仕上げたい。勉強にもなるし。
同ソフトをさらっと触ってみたが、必要な情報を入力すれば基盤上に並べた部品の足を結ぶ複雑な両面パターンを全自動で作ることができた。予定していたユニバーサル基盤での実装の、半分以下のサイズに全て乗ってしまいそう。
そのデータを使って海外のOlimexという基盤メーカーへ発注すれば、国内のレベルの高いメーカーに比べ破格の安値でプリント基板を作れるようなので、全て完成したら試してみたい。
国内のP板さんとかは品質が高い分、設計に求められるレベルも高く、全くの初心者にはサンプルデータすら作ることができない現実・・・。試行錯誤するにはコスト的なリスクも高いし。
自分でエッチングして基盤作る手もあるが、設備の初期投資、薬品処理などの手間ヒマとコストといったハードルが高く感じる。全てハンドメイドと謳える魅力はあるが、小型化に必須の両面パターンは源蔵などが大変っぽい。一度は通っておくべき道なのかもしれないがw