アバター観てきた

字幕・3D版のアバター観てきた。
日曜夜のレイトショーだったけど、結構人が入ってた。
 
映画自体は、思った通り全体に「侵略・略奪する者される者」「パワーvsナチュラル」的な色が強く、アメリカ的王道ストーリーなのである意味安心して観られた。
ネタバレに繋がりそうな表現は避けたいので、内容に関するコメントは止めておく。
 
で、3D効果について。
結論から先に言うと、「大変魅力的なシステムで採用作品の増加に期待したいが、映像によって向き不向きがあるから2Dとの選択制は必須」という感じ。
入場時に渡された3Dメガネは、うっすら青赤に着色されたレンズが付いたモノだった。意外にレンズ部分が小さく、フレームがやたら太い。繰り返し利用の為に強度などを優先したデザインに感じたが、もっと軽く、レンズも大きく出来ないのかと思った。
自分がメガネっ漢なので、目〜メガネ〜3Dメガネと2枚のレンズ越しに観ることになったせいもあるのかもしれないが、映画館で観ているのにもかかわらず狭い画面を覗き込むような、視界を狭く絞られたような圧迫感があった。また、メガネ+3Dメガネの重量のため、時々メガネを手で押し上げたり位置を調整する時がありその一瞬だけだが集中を奪われたのが残念。
対応作品・上映館が増えてくれば、3Dメガネも洗練されて軽く見やすいモノに進化し、メガネの客用にクリップタイプのレンズを出すとか、色々改善されるだろうか。現状では3D上映分のコストを負担した上でさらに上映中のメガネ重量まで負担する事になってしまい、2Dと3Dの差は容易には埋められないように思う。
 
3D効果自体は期待通りのもので、目や脳が慣れてしまうと違和感は無い。遠景のカットや空中を飛行するシーンなどの空間演出は鳥肌モノだった。まさにその場に居るような感覚になれる。映像による説明を行わなくても距離やスケールを表現できるので、慣れると2D表現では満足できなくなるかもしれない。
しかし、ただでさえ物理的・視覚的な負荷が増えているので、動きの激しいシーンやカット割りが細かいシーンでは目が追いつかない。
また、瞬間的に空間距離が変化したりカメラがターンする時、フレームオチのような違和感を感じた。左右2チャンネルの映像のためにフレームレートが犠牲になっているのかもしれない。
 
あと、字幕版を観たのは失敗だった。作品の映像空間内に文字が浮かぶため、字幕を読むために目の焦点を変えねばならない。映像と字幕の視点の往復の負担は2Dどころではなく大きかった。
一部、映像内オブジェクトと字幕の3D空間的な干渉を避けるために字幕が画面中央付近に移動するという、2Dではなかなか見られない表現もあったりして、字幕の扱いに関してはまだ試行錯誤中なのかな、という印象を受けた。
 
 
総じて、スゴイ!とは思ったが予想以上に疲れた。100分を越える作品ではちょっとキツイんじゃないかと思う(特に字幕版では!)。自分で休憩を取れたり字幕・吹き替えを選べる自宅での鑑賞なら長編でも大丈夫かもしれないが・・・。
 
この3D技術、もっとカメラが安定している作品でも観てみたいと強く思う。今回のアバターを見る限り、制作サイドはアクションシーンや非現実的空間での迫力やスピード感でアピールしようとする印象を受けたが、普通のヒューマンドラマやホラー・サスペンス等でも効果的に使える可能性はまだまだあるような気がする。
撮影・編集機材や上映環境が特殊かつ高価でまだまだ普及のハードルは高いかもしれないが、是非ヨーロッパやアジアの映画製作者達の3D作品も観てみたいと思う。ハリウッド全開のアバターに対し、彼らがどのように3Dを取り入れるか、今から楽しみで仕方がない。