●REC

SAWシリーズも余裕で見られた私ですが、久しぶりに一時停止ボタンを押して深呼吸しながらでないと見られない映画でした。
 
・・・これはヤバイだろ。
BGM一切ないカメラオンリーの映像の羅列ですが、この破壊力は半端無いわ。観終わってしばらく経ってるのに、手の震えが止まらん。
 
俳優らの、演技を感じない緊迫した一瞬一瞬の表情が、脳裏に焼き付いたままだ。
 
誰かを俯瞰するような視点とかが一切無いFPS的な画面なので、前にいる人間が邪魔だとか、音が遠いとか近いとか、近くで大声出されると何も聞こえなくなるとか、光がないところは見えないとか、そんな当たり前のことが、自分がその場に居るような緊迫感になって容赦なく襲ってくる。
ブレアウィッチ的だと言われれば確かにそうだが、あの作品よりは圧倒的に完成度が高く、そういった背景的事柄を意識するヒマもなかった。
ストーリーや結末は想定の範囲内だった(結末はもう少しひねりが欲しかった)ものの、普段見ている量産型パニックムービーがどれだけ映像的・音響的な演出で粉飾されているかがよく分かる、お手本的作品だと思う。
 
 
「こんな映像をつくりやがって・・・いい加減にしろ!」
これを最上級の褒め言葉として、制作者達に送りたい。
 
 
まだ見てない方は、できれば公式サイトの情報も一切見ないで映画本編に突入して欲しい。
十分打ちのめされてから公式見ると、色々深いです(ニヤニヤ)。
 
あと、まかり間違っても「吹き替え版を最初に見ない」ように
吹き替え版制作スタッフには悪いけど、オリジナルの俳優達の音声、物音、息づかいのリアリティは吹き替えで体験できるはずもない。役者達へのリスペクトの意味でも、絶対に最初は字幕版を見るべき。
 
http://www.recmovie.jp/