SIMulationONE

前々から気になっていたシモーヌを観てみました。ちょっとナメてかかってましたが、予想以上に楽しめました。
現在の技術ではこういったことも(さすがに個人レベルでは無理でしょうけど、金つぎ込めばなんとか)可能なので映画の中のようなことは起こらないでしょうけど、追い詰められるヴィクター・タランスキー監督(シモーヌなんかより、ずっと実在しそうな名前だ)。自分が自由に操ることのできる幻であるはずのシモーヌに逆に操られはじめ、あげく幻であるがゆえに幻であることを証明できなくなるという展開には、ずいぶんハラハラしました。自分のため、自分の名声のために作り上げ、自らが演じているはずのシモーヌに、嫉妬してしまうという不条理な感情が見事に伝わってきました。
ってか、普段パソコンやらいじってる人間にすると、あれだけの設備で映画はともかく、生中継やライブをやるシーンにはハラハラしました。システムトラブルが起こるんじゃないか、オペレータの監督がミスるんじゃないかと(笑)だってバックアップシステム無いし、過去にメモリー不足でクラッシュしてるし、操作する監督自身はちょっと前までパソコン音痴を自称してた人だし。・・・職業病ですねぇ(;^-^)
個人的には、アル・パチーノの「凄さ」が際立ってると感じました。名の知れた俳優がスクリーンで役を演じてても、どうしても他の作品やメディアなどの姿がダブってしまって「演じてる俳優」に見えてしまうものなのに、この作品の中のアル・パチーノは違って見えました。本当にタランスキーという監督が存在してる気がしました。観ている最中にふと、本名を思い出そうとしたけど出てこなかった。それくらい見事でした。
逆にウィノナ・ライダーとかプルート・テイラー・ヴィンスとかは一発で過去の作品とかをいろいろ思い出してしまいました(笑)いえ、決して下手なわけじゃないんですけど(特に作中でウィノナ・ライダーが演技を見せるシーンではゾクッとしましたし)。
だんだん無理が破綻していく様子の描写のリアルさは、アンドリュー・ニコル(だっけ?)らしいというか。気持ちよく追い詰められますね(なんだそりゃ)。
見て損は無いと思います。ラストはちょっといまいちですけど(ラストはいらなかったのでは、と思う)。
で、エバン・レイチェル・ウッドって可愛くない?いや、マジで。ちょっと名前が覚えにくいけど。ってか、結局そっち観てたのかよ(汗)